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2025/12/20
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家具と素材のバランスで生まれる 「落ち着く家」と「落ち着かない家」の違い

はじめに

インテリア担当の水野です。

インテリアのご相談をしていると、
「この家、なんだか落ち着きますね」
という言葉をいただくことがあります。

一方で、
「きれいだけど、少しそわそわする感じがする」
と感じられる空間があるのも事実です。

実はこの違いは、
家具の配置や色選びといった“テクニック”だけではなく、
「空間全体の“感覚のバランス”」から生まれていることが多いと感じています。

今回は、
「人が自然と落ち着く空間には、どんな共通点があるのか」
を、家具と素材の視点から紐解いてみたいと思います。


落ち着く空間に共通するのは「情報が多すぎない」こと

人が空間に入った瞬間、
無意識のうちに色・素材・形・光といった情報を受け取っています。

・木のあたたかさ
・布のやわらかさ
・金属のシャープさ
・革の重厚感

これらはそれぞれ魅力的ですが、
すべてを主役にしてしまうと、空間は落ち着きを失います。

落ち着く空間ほど、素材の種類や質感は意外と絞られています。

以前の記事では、家具と素材の組み合わせが空間に与える影響について、もう少し具体的にご紹介しています。
「家具と素材のバランスで変わる“空間の落ち着き”」

たとえば

・木をベースに、布とレザーを添える
・金属やガラスは「脇役」として使う

こうした“引き算の考え方”が、
空間に余白と静けさを生み出します。


「抜け感」と「重心」は、安心感をつくる設計要素

落ち着きは、視覚的な“安定”からも生まれます。

背の低い家具が中心の空間は、視線が自然と下に集まり、
身体感覚としてもリラックスしやすくなります。

また、素材によっても重心の印象は変わります。

・木や布 → やさしく、安定感がある
・ガラスや金属 → 軽やかで、緊張感が出やすい

ここで大切なのは、
軽さと重さを一つの家具の中でバランスさせること。

たとえばソファなら

・座面はしっかりとしたボリュームで安心感を
・脚は細く、抜け感のある素材で軽やかさを

この組み合わせが、
「重すぎず、軽すぎない」心地よさにつながります。

家具の高さや配置によって、空間の印象は大きく変わります。
家具配置の考え方については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
「家具の配置で広く見える空間」


“広さ”よりも「気持ちが整うかどうか」

インテリアの話をすると、
「広く見せたい」というご要望をよくいただきます。

もちろんそれも大切ですが、本当に長く愛される空間は、
「広さよりも“気持ちが整うかどうか”」で決まると感じています。

素材を絞り、家具の高さや重心を整えることで、
空間には自然とリズムが生まれます。

その結果、

・長く座っても疲れない
・無意識に深呼吸したくなる
・家に帰ると気持ちが切り替わる

そんな“感覚としての心地よさ”が育っていきます。


おわりに

落ち着く空間は、
特別な家具や派手なデザインから生まれるものではありません。

家具と素材の関係性、視線の抜け、重心の置き方。

そうした要素が静かに整ったとき、
空間は暮らしをやさしく支える存在になります。

今回の記事が、
「なんとなく落ち着く家」の理由を考える
小さなきっかけになれば嬉しいです。

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