インテリア担当の石熊です。
インテリアの印象は、“家具の配置”だけでなく、“素材や色のバランス”でも大きく変わります。
似たような家具が置かれていても、
「なんだか落ち着く空間」と「どこか落ち着かない空間」
──この違いはどこで生まれるのでしょうか?
今回はその秘密を、家具×素材×バランスの視点からご紹介します。

家具と素材の組み合わせは、空間の雰囲気を決める核となります。
木のあたたかさ、金属のクールさ、布のやわらかさ、革の重厚感。
この “質感の違い” をどう組み合わせるかで、お部屋の印象は大きく変わります。
木×ファブリック(布)×レザー
→ 落ち着いたトーンで、大人っぽい上品さが生まれる。
ガラス×スチール
→ 透明感と軽さがアクセントになり、モダンで抜け感のある空間に。
異素材を上手に掛け合わせることで、家具同士が引き立ち合い、空間全体にリズムが生まれます。
ただし、質感を入れすぎると視線が散って落ち着きにくい空間に。
「3種類程度」にまとめると美しく整いやすくなります。

空間の落ち着きは、素材だけではなく、
家具の高さ(抜け感) と 視線の集まる位置(重心) でも大きく変わります。
背の高い家具が多い部屋は、視線が途切れやすく圧迫感を感じがちです。
反対に、ローソファや低めのTVボードは、視線が抜け、空間が静かに整います。
木や布は「厚み・柔らかさ」を感じるため、重心が低く安定して見えます。
ガラスや金属は軽さ・シャープさがあり、重心を軽くします。
例:ローソファ
・座面 → 幅広で安定感(重心が低い)
・脚 → スチールで軽やか(抜け感をつくる)
このように、1つの家具の中で“重さ”と“軽さ”のバランスを取ることで、落ち着きと上質さが両立します。

落ち着く空間には「素材の絞り込み」が欠かせません。
・木のトーンを揃える
・家具の脚の素材を統一する
・大きい家具の面材をまとめる
など、“統一” を軽くつくるだけで空気感は驚くほど変わります。
素材を整えると、光の入り方・影の落ち方まで変化し、
“広さ”ではなく“心地よさ”をデザインする空間へ。
★写真
落ち着く空間は、
“広さ”ではなく “バランス”で生まれる心地よさ からつくられます。
家具と素材の関係、抜け感と重心の整え方──
これらが噛み合うと長く暮らしても飽きない、やさしく包み込む空間 になります。
今回の記事が、日々の暮らしをより心地よくするヒントになれば嬉しいです。