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2025/09/13
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完成後には見えない、建築中の工夫

はじめに

はじめまして。建設担当の菊地です。
普段は工事現場で、お客様の大切なお住まいを一棟ずつ丁寧に形にしています。

完成した住まいを前に「安心ですね」と言っていただけるのは何よりの喜びですが、その安心感を支えているのは、実は“完成後には隠れてしまう部分”にあります。
基礎や骨組み、壁の中の素材や施工精度…普段目にすることはありませんが、暮らしの快適さと耐久性を大きく左右する要素です。

今回は建設担当の視点から、そんな「見えない部分の工夫」についてご紹介します。


基礎や構造──安心の土台は見えないところに

建物を支える最初の要素は基礎です。鉄筋の組み方やコンクリートの強度は、地震や台風に耐えうる“構造体の強さ”に直結します。
特に鉄骨住宅では、鉄骨同士の接合部の精度管理が非常に重要です。ボルトの締め付けトルクや溶接部の検査など、完成後には見えなくなる部分こそ、厳しい基準に基づいて確認しています。

こうした施工精度はわずかな誤差が将来の安全性や快適性に影響するため、現場ではミリ単位での測定と調整を繰り返しています。

見えない部分でどれだけ精度を確保できるかが、長期にわたる安心感につながるのです。


快適さをつくるのは、壁の中の工夫

完成すると壁紙の裏に隠れてしまう部分には、快適性を支える多くの仕組みがあります。

断熱材は隙間なく施工することで本来の性能を発揮します。さらに気密テープやシーリングでわずかな隙間も処理し、外気の侵入や熱損失を抑えています。これらの精度が冬の暖かさや夏の涼しさ、省エネ性能を左右します。

加えてパナソニック ホームズでは、石膏ボードに「珪藻土」を混ぜ込んだ独自仕様を採用しています。珪藻土は多孔質の天然素材で、湿度が高いときには水分を吸収し、乾燥時には放出する“調湿機能”を持っています。見えない部分に組み込むことで空気環境をより安定させ、結露やカビのリスクを抑える効果があります。

また配管や配線のルートも、将来のメンテナンスを考慮して施工します。後から修繕やリフォームが必要になった際、スムーズに作業できるように計画することも、見えない工夫の一つです。


見えない工夫が、暮らしを長く支える

これらの工夫は住み始めてすぐに体感できるものもあれば、10年、20年と時間が経ってから効果を実感できるものもあります。断熱や調湿の仕組みは日常の快適さとして現れますし、構造体や配管の精度は長期的なメンテナンス性や耐久性に直結します。

「完成後には隠れてしまう部分まで説明してくれて安心した」というお客様の声をいただくこともあります。普段は目に見えないからこそ、施工の一つひとつに誠実に向き合うことが将来の信頼感につながると感じています。


おわりに

住宅は完成して終わりではなく、そこから何十年と暮らしが続いていきます。
だからこそ、完成後には隠れてしまう部分にどれだけ精度と工夫を込められるかが、住まいの価値を大きく左右します。

現場では一つひとつの工程を職人と共に確認しながら、品質を確保しています。
機会があれば、ぜひ建築中の現場もご覧いただき、住まいを支える“見えない安心”を体感していただければ幸いです。

 

 

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