マーケティング部の石川です。
家づくりというと「間取り」や「性能」が注目されがちですが、実は“素材感”も暮らしの印象を決める大切な要素です。
ドアノブに触れたときの質感。床に足を下ろしたときの感覚。壁や天井に反射する光の柔らかさ。
こうした細やかな「触れる」「見る」「感じる」という体験が積み重なって、家全体の居心地を形づくっています。
今回はそんな素材の持つ力について、空間の中と外、それぞれの側面から考えてみたいと思います。
毎日の暮らしの中で最も身近にあるのは「手で触れる部分」です。たとえばドアノブや引き戸の取っ手。
冷たく硬質な金属か、マットでしっとりした仕上げか。ほんのわずかな違いですが、そこから感じる安心感や高級感は驚くほど大きいものです。
床材も同じです。足を下ろした瞬間の感覚によって、リビングが「くつろぎの場」になるのか「きりっとした場」になるのかが変わってきます。キッチンの天板にしても、光沢のある石調とさらりとしたマット調では、料理をする時間の気持ちまで変わってきます。
あるお客様は「毎日触れる場所だからこそ、気に入った素材にしたい」と話してくださいました。住まいにおける小さな“手触り”の積み重ねは、思っている以上に暮らしの快適さへと影響しているのです。
鉄骨住宅の強みのひとつは大きな開口部や伸びやかな大空間を実現できることです。その広がりをどう感じるかは素材の組み合わせによって大きく変わります。
たとえば、マットな壁材と光沢のあるタイルを組み合わせると、光の当たり方によって立体的な陰影が生まれます。ガラスや金属といった硬質な素材に、ファブリックのやわらかさを加えることで、緊張感と温かみのバランスを取ることもできます。
床・壁・天井それぞれで素材を切り替えると視線が自然に誘導され、空間にリズムが生まれます。同じ四角い部屋でも、「異素材の掛け合わせ」によって広さの中に奥行きや個性が加わるのです。
素材は単なる見た目の違いではなく“空間をどう感じるか”に深く関わっています。
そしてもうひとつ忘れてはならないのが、家の「外側」を形づくる素材です。特に外壁タイルは、街並みに映える存在感と長く暮らす上での安心感をもたらしてくれます。
重厚感のあるタイルの風合いは家を落ち着いた雰囲気に見せるだけでなく、時間を経ても美しさが損なわれにくいという特長があります。雨風や紫外線を受けても劣化しにくいため「ずっと好きでいられる外観」を支えてくれるのです。
あるご家族さまは「子どもが大きくなっても、この家が古びて見えないのがうれしい」と話してくださいました。住まいの質感は室内だけでなく外観からも積み重なり、暮らし全体の安心感へとつながっていきます。
家の居心地は間取りや性能だけで決まるものではありません。毎日触れる素材の手触り、異素材が織りなす空間の奥行き、そして外壁タイルがもたらす重厚感。こうした質感の積み重ねが日常を「なんだか心地いい」と感じさせてくれるのだと思います。
実際に素材に触れ光の下で見比べてみると、その違いはより鮮明になります。
機会があれば、ぜひ展示場などで素材がつくる“居心地の深み”を体感してみてください。